木の家具 心地よい暮らし 『好木祭2026 』開催中 3/29まで
2026/03/06
今年の好木祭は、「暮らし方」に焦点を当ててさまざまな木の家具をご紹介していきます。

最初に取り上げるテーマは「低座」について
身長155cmの私は、世の中の椅子のほとんどで、座ったときに足裏が床にぴたりとつきません。
かかとは浮き、太ももの裏で膝下を支える形になり、時間が経つと痺れてくる。
足はぶらつき、どこか落ち着かない姿勢のまま。
「椅子って、そういうものだから」
そんなふうに、違和感を感じながらも、見過ごしてきた方は多いのではないでしょうか。
実際、市場に流通している多くの椅子は、座面高42〜43cm。
それに合わせて、テーブルの高さも70〜72cmが標準です。
この“標準”に合わない体格の人にとって、選択肢そのものがとても少ないのが現実です。
ホルムでは、座る方の体格に合わせて椅子の脚カットをおすすめすることがありますが
そもそも、低い椅子と低いテーブルを選ぶ。ことを推してみようと思います。
低くすることで、無理な力が入らず、楽に長時間座っていられる。
視点の高さが下がることで、空間に広がりを感じられるのも、意外な発見です。
テーブルは、食事のためだけの場所ではなくなります。
本を読んだり、書きものをしたり、手仕事をしたり。
低いからこそ、自然と体を預けやすく、さまざまな作業がしやすくなっていきます。
高さを変えるだけで、
椅子の座り心地も、空間の印象も、テーブルの使われ方も変わる。
低い暮らしには、想像以上に多くのメリットが見えてきます。
好木祭ではいくつかの低い家具をご紹介してまいります。
SPREAD
テーブルいっぱいに料理を並べて、気取らず、ゆっくり食事をする。
スプレッドチェアは、そんな時間を思い浮かべながら生まれました。


匠工芸さん提供
コンセプトは「LOW Wide Dining」。
一般的なダイニングチェアより、背もたれも座面も約5cm低く設計されています。
足裏がしっかり床につき、自然と深く腰掛けられる。
食事の時間が、少しだけくつろぎの時間に近づきます。
高さを抑えたことで、視線を遮らず、空間がすっきりと見えるのも特徴のひとつ。
ダイニングに広がりを感じさせてくれます。



背もたれと座面は、姿勢を自由に変えられるよう、ゆとりのある幅。
長く座っていても体に負担がかからないよう考えられています。
大きく丸みを持たせた背もたれが、背中をやさしく受け止め、安心感のある座り心地を生み出します。

糊付け加工をあえて行わない
背張りへの挑戦
SPREAD チェアの背張りでは、革の糊付け加工を行っていません。
実は革を糊付けすると体温で糊がはがれてしわが寄ったり浮いてきたりしてしまい、見た目や使用感が損なわれます。
SPREAD チェアの場合はこれをできるだけ避けるためあえて糊付けを行わず、縦横のしわを伸ばして絶妙なバランスで緊張感を保持。
気が付きにくい部分ですが、妥協をしない“信念”が詰まった技術です。


家族と、友人と、食卓を囲む時間を大切にするために。
「低座のダイニング」という、新しい選択肢の提案です。


omusubi table × 和温LD chair
こちらは我らのホームタウン広島県府中市のわかば家具さんとデザイナー小泉誠さんのプロダクト。
テーブルの天板の高さが65cm。
和温チェアの座面高さは37.5cm。
おむすびのような形のおむすびテーブル。
テーブルの高さもそうですが、この絶妙な角のない形が暮らしにおいてとても便利。
レイアウトもしやすく導線も確保しやすいのです。

和温のLDチェアなら3脚、スツールなら5脚は設置できます。

金物のLアングルを用いて、細い木部でもしっかりと強度を保ち、重心を保つことで円形や変形などさまざまな形をささえています。
デザイン的なアクセントにも。

和温のチェア。座面高37.5cm。身長155cmの女性が座ってもしっかりと足裏が床に着く。
さらにクッション性の高い座と背は、長時間座って姿勢を崩してもリラックスしやすい感触です。
脚の形状からも畳の上でも気にせず使っていただける汎用性の高い1脚です。
ダイニングとしてのみならず、和室で自分の時間のための1脚としてもおすすめしたい椅子ですね。



とにかく楽ちんな椅子です。